Yoshikiのマスタークラスで学んだこと

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作曲家、ピアニスト、ドラマー、X Japanのリーダーとして世界で活躍するYoshikiのマスタークラスをいちばん前の席で聴講した。この特別講義はマイアミ大学フロスト音楽学校で行われ、司会はYoshikiの長年の音楽コラボレーター、そしてこの大学の音楽学部長であるバーグ教授。Yoshikiは、彼の音楽についてのこだわり、音楽のチカラへの関心、またハプニングをいい方向にもっていける前向きな姿勢などをフレンドリーに語った。

まず音楽製作の過程で「妥協しない」ということは、いい音楽を完成させるために欠かせない。Yoshikiとバーグ教授は、『Art of Life』の製作当時からのコラボレーターで、おたがいをよく知っている。バーグ教授によると、Yoshikiはどんな音楽を作りたいかがはっきりしていて、それを達成するためには妥協しない。また曲をアレンジする時も、ひとつひとつの修正にちゃんとした理由があり、それはYoshikiの中で描いている完成作品に近づくために必要なステップだと。このYoshikiの芯の通ったこだわりが、質の高い作品につながっているようだ。

この会話のあとに、Yoshikiはマスタークラスの参加者からも質問を受けた。わたしはすぐさま手を上げ、「お父様がお亡くなりになった時、音楽はあなたの支えになり、またあなたの音楽は多くの人の支えになっていると思います。過去、音楽の療法的効果に興味があると言われていましたが、そのようなリサーチにかかわっていきたいですか?」と聞いた。日本ではモーツァルトがいいとか言われがちだけど、調べてみたら好きな音楽を聴くことがいいと知った、とYoshiki。そして、音楽の効果についてもっと知りたいとのこと。

ほかにも何人かの参加者が質問し、Yoshikiはそのひとつひとつに丁寧に答えた。「人生で習った教訓はなんですか?」という質問に対して、Yoshikiはツアー中などよく思いがけないことに遭遇するけど、そこで当惑するのではなく、そのパプニングをいい方向に使うようにしていると言った。バーグ教授も「予想してないことが起こった時も、Yoshikiは落ちついてるよね」と加えた。この教訓は、わたしたち誰もが覚えているべきことだと感じる。

このマスタークラスを通して、幅広いミュージシャンとして活躍し続けるYoshikiの成功の秘訣を知ることができたような気がする。すでに多くのことを成し遂げてきたYoshikiだが、さらにいろいろなことにチャレンジし、多くの人を魅了し続けるだろう。その裏には、妥協しないというこだわり、音楽の効果についてさらに知識を深めて人のために役立てたいという気持ち、パプニングをいい方向にもっていける、という強くも柔軟な姿勢があるようだ。

マスタークラスの動画(英語)はこちらです。

そもそも神経学的音楽療法って何?

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神経学的音楽療法とは、マイケル・タウト博士(Ph.D.)、コリーン・ハート-タウト博士(Ph.D)、医師ジェラルド・マッキントッシュ先生(M.D.)、ルース・ライス理学療法博士(DPT)が、アメリカのコロラド州にあるCenter for Biomedical Research in Music で提唱し、研究、分類した療法です。神経学的音楽療法は、音楽知覚やその他の科学的証拠に基づく介入であり、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中後遺症、自閉症、脳性まひ、外傷性脳損傷など神経疾患をもった方のために使われます。介入では、音楽の要素(リズム、ハーモニー、音階など)を意図的に使い、クライエントの感覚運動、言語、感情、認知機能の向上を目的とします。

例:

歩行練習のための聴覚刺激(Rhythmic Auditory Stimulation – 略してRAS)RASを使った理学療法ー歩行練習のビデオ(MedRhythmsが提供)

運動機能発達のための療法的楽器演奏  (Therapeutic Instrumental Music Performance – TIMP)

失語症(ブローカ失語症など)のためのメロディックイントネーションセラピー (Melodic Intonation Therapy – MIT)

他にも色々な介入がありますが、徐々に皆さんとシェア出来ればと考えております。*神経学的音楽療法士になるには、この療法の特別なトレーニングを受けなければなりません。

Reference: M. H., Thaut (2008). Rhythm, Music, and the Brain. New York, NY: Routledge

 

 

フリーランス音楽療法士としてちゃんと食べていく!ための四つのオキテ

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雇用されて音楽療法士として働いた経験もありますが、今はフリーランスとして働いています。しかしフリーランスと言えば、自分で仕事をゲットしなければならないので、最初は結構プレッシャーもありました。私が長年の経験を通して習った大切な事は…

1.(当たり前の事ですが)いつも自分のスキルアップを目指す。講習会に参加したり、経験のあるセラピストからコンサルティングを受けたり、音楽の幅を広げるなど。自分に「投資」する事は、結果的にクライエントのためになります。

2. 常に新しい機会を探している。今、自分に十分な仕事があっても、クライエントが引っ越したり、契約している施設の予算の関係で、セッションの頻度を減らさなければならない事もあります。そのような時のために、常に新しい機会に目を向けている事はとても大切です。そしてそれは、安定した収入につながります。

3. 人脈を大切にする。時々、過去に一緒に働いていた人から、音楽療法の依頼がきます。ネットワークは本当に大事ですね。

4. 収入源は色々なところから。いつも安定した収入を得たいのならば、一つドカンと大きい契約をゲットして、それだけに頼らないようにしましょう。何らかの理由で、その契約がダメになったら、かなりの「打撃」を受けます。様々な収入源をもつ事が重要です(いろいろな施設、個人との音楽療法、講演など)。

 

こんなコンサートに行った事がありますか?

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『Sensory Friendly Concert』(感覚にやさしいコンサート)のお手伝いをさせていただきました。クラシックのコンサートなど、皆、静かにじっと座ってなければならないですよね。そのような理由で、じっと座っている機能が備わってない人や、感覚障がいをもった方は、なかなかクラシックのコンサートなどに行けません。

でもこのコンサートでは、声を出してオーケー、よく自閉症をもった方に見られる、手をパタパタ動かす行動もオーケー、休憩が必要な場合は曲の途中で退場してもオーケーなのです。

また、二つ目の写真は、ノイズを小さくするヘッドフォン、感覚機能を刺激してリラックスさせる物(あまり写っていませんが)、そしてタンクトップのような物は圧縮ヴェスト。落ち着きをもたらす目的などに使われます。

この『Sensory Friendly Concert』は、Musical Autistという非営利団体によって運営されており、音楽療法士と音楽の先生などがそのお手伝いを行います。このようなコンサートが、色々な場所で行われるとよいですね。

 

 

アメリカの施設でIpodはどう使われている?

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少し前、日本でも「Alive Inside」(施設に住む高齢者がIpodで音楽を聴く様子を撮影したドキュメンタリー)が上映されましたね。今日は、そのプロジェクトを始めたダン・コーエンさんと二人の音楽療法士のウェビナーを見ました。

アメリカでは、ダン・コーエンさんが設立した団体『Music & Memory』が、これについてのトレーニングを施設ごとに行い(インターネットで)、その施設に認可を与えます。最低5人のスタッフがトレーニングを受けなければなりません。

しかしトレーニングを受けたからと言って、全てが上手くいくとは限らず、専門家の助言が必要な場合があります。そのような事を考慮して、音楽療法士がコンサルタントとして施設をお手伝いするケースもあります。[用語の定義としては、Ipodで音楽を聴かせる事は、音楽療法ではありません。] 音楽療法士は、音楽とその影響に関する経験、知識を活用し、『Music & Memory』における音楽の実用的な使用方法のアドバイスを行います。

以下は『Music & Memory』(英語)のサイトです。

http://musicandmemory.org/