認知症:リラックス音楽、映像の逆効果?

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高齢者福祉施設に住んでいるホスピスの患者さんを訪問しました。その方は、リビングにいらっしゃり、そこで音楽療法の訪問を受けたいとの事。特にホスピスは、患者さんの希望を優先するので、患者さんが部屋で訪問を受けたければ、部屋に行き、リビングで受けたければ、そこで訪問します(もちろん、スタッフや他の住居者さんの同意を得た上で)。

認知症をもっている方なので、記憶が曖昧で、時々混乱されますが、音楽療法セッションには活発に参加されました(馴染みのある歌を歌う、明るい表情を見せる、自主的な発言をする、気分の向上の様子、それでいて落ち着いている)。このようなポジティブな状態でセッションを終え、私は、同じ施設に住む別の患者さんの部屋に足を運びました。

その訪問の後、リビングに戻ったら、ゆったりした音楽と自然や鳥の映像からなる「リラックス用のビデオ」がテレビに映されていました。一見、皆、リラックス出来るように見えて……残念ながら、そうでない事が5分でわかりました。

観察して思った事は:

  • 住居者さんが映像と音楽に飽きた(とても単調な映像を30分以上も鑑賞。)。それがイライラの原因になって、歩き回る方が出てきた。私のホスピスの患者さん(最初に訪問した方)も、不安そうな表情を浮かべ、少し混乱しており、そわそわしている(”どこかに行きたいけど、どこに行きたいのかわからない”)。
  • 曲の雰囲気が、かなりノスタルジック…….住居者さん達は、なんだか切ないような、悲しいような音楽を長い間聴いている(注意:悲しい音楽が、いつも人を悲しくするわけではない、という事は本当です。特に、音楽が共感の目的で使われたり、人の気持ちを表現する [失恋した時、それに関係した 歌をカラオケで歌う] 場合は、悲しい音楽は、かなり私達の役に立ちます。)

しかし、誰かが勝手に決めた「リラックス用のビデオ」を、長い間鑑賞する事は、結構、苦痛になる事がわかります。勿論、すべての「リラックス用のビデオ」が悪いというわけではありません。好みや認知症の程度、特徴を考慮して選ぶ必要があります。という理由で “リラックス用のビデオや音楽を流しておけば、皆、リラックスするから….”という絶対的な考えを持たず、きちんと皆さんの反応を見て、ビデオや音楽が適切かどうかを判断する事が大切です。

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