「クラッシュカート」の代わりに「安らぎカート」を…

lavendor

アメリカの終末医療に関する、興味深い(英文の)記事を見つけました。直接、音楽療法に関係していませんが、まれなアイディアだと思ったので、ここで大切な点をシェアさせて頂きます(原文はこちら)。

病院には、緊急に蘇生を行うために必要な物が入っている、クラッシュカートというものがあります。この記事によると、蘇生を受け、元気に病院を去る患者さんは、20%以下だという事です。そして、末期の病気をもっている、患者さんの蘇生の成功率は、殆どゼロに近いとありました。

そこで「安らぎカート」のいう物が作られたそうです。このカートには、音楽、いろいろな宗教の聖典 、手形などを作る事のできるキット、ボランティア手作りのブランケット(軽い毛布)が含まれています。患者さんが亡くなった時には、家族がそのブランケットを、持ち帰る事もできます。また、家族の方には、終末期やグリーフなどに関する、パンフレットも提供されるという事です。

末期患者であるスティーブンさんの息子さん達は、ブランケットを選び、それをそっとスティーブンさんに掛けてあげました。そして昔、キャッチボールをしてくれた、父と自分の手型を並んでとり、最後に記念になる物を作ったという事です。

もちろん、安らぎカートは、息が止まった人を蘇生する事は出来ません。しかし、暖かみのある環境を作り、家族が大変な時に、安らぎを感じる時間を作るお手伝いをしています。

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ホスピス音楽療法:患者さんだけでなく家族も…

Retired

Eさんは末期の肺がんのため、ホスピスケアを自宅で受ける事になりました。スタッフによると、時々、Eさんの不安感が膨らみ、リラクゼーションが必要という事でした。Eさんは、時には私と一緒に歌を歌い、また時にはゆっくりと音楽を聴いてリラックスされました。「音楽は薬のようなもの」と、Eさんが毎回のようにおっしゃっていたのを、今でも覚えています。

また音楽療法が、中期アルツハイマー型認知症をもった、Eさんの旦那さんの役にも立っている事が目に見えました。旦那さんは、少し混乱していらっしゃり、落ち着きがない時は、頻繁に立ったり座ったりなどして、それを見ているEさんにも影響を与えていました。しかし旦那さんは、音楽療法の時は、長く椅子に座っている事ができたのです。

普段、旦那さんは、意味のある活動になかなか参加出来ないものの、音楽療法の時は、Eさんと一緒に音楽に参加されました。はたから見れば、何でもないような光景ですが、Eさんと旦那さんにとっては、とても貴重な時間だったのです。なぜなら、アルツハイマー病をもっている方や、その家族の方にとって、何かを一緒に行うという事は、結構難しい事だからです。

Eさんは「(旦那さんの名前)が、私と一緒に音楽に参加しているのを見ていると、幸せな気持ちになるわ。」と言われました。また時には、Eさんは息子さんや友達を音楽療法セッションに招待して、一緒に時間を過ごしました。その時間が、Eさんだけでなく、息子さんや友達にとっても、良い思い出になるのではないか、と思ったのかもしれません。Eさんは、愛する家族に囲まれ、安らかに息を引き取られたそうです。